ささやかな休日3 [ささやかな休日 【ショートショート】]
寅蔵が、「夫婦水入らずプラン」の宿泊予約を入れてから十日後、寅蔵あての電話が入った。
東京大神ワイハットホテルの宿泊係の岩佐からだった。
「若井様のご自宅で宜しかったでしょうか?」
「はい、若井でございます」。電話に出たのは、海子だった。
「こちらは、東京大神ワイハットホテルの宿泊係の岩佐でございます。寅蔵様はご在宅ですか?」
大変丁寧な言葉づかいに、海子は緊張しながら「はい」と言って、寅蔵を呼び出した。
「はい、若井寅蔵ですが?」
電話に出た寅蔵は、すぐに応答した。
「お忙しい時間に恐れ入ります。こちらは、東京大神ワイハットホテルの宿泊係をしております、
岩佐と申します。先日は、『夫婦水入らずプラン』で、ご宿泊の予約を頂きまして、誠にありがとうございます。
実は、当ホテルの勝手な都合ですが、宿泊プラン及びプラン価格の改定がございまして、
現状のご宿泊料金より二割から四割、お安くさせて頂くことになりました。
若井様の場合、『夫婦水入らずプラン』が『夫婦二人だけの休日プラン』に変更され、
プラン料金は、64,000円から39,000円に改定されました。もちろん同等のプランでございましす、
今後は少しお安くご利用頂けます。
つきましては、先日ご予約頂きましたプランは、こちらでキャンセル扱いにさせて頂きますので、
改めて、当ホテルのホームページから『夫婦二人だけの休日プラン』のページにアクセスの上、
ご予約頂けますでしょうか?」
寅蔵は、思わず、「そんなに安くなるのですか?」と尋ねた。
「はい」
岩佐は、自信を持って答えた。
「じゃぁ、そうさせて頂きます」
「それと、先程、申し上げました通り、『夫婦二人だけの休日プラン』は、『夫婦水入らずプラン』と同等のプランでございます。特典の東京スカイツリー特別予約券が付きます。ご予約の三日間分、この特典で宜しかったでしょうか?」
「えーと、と言いますと・・・」
「差し出がましいようですが、他の特典に変更も可能です。一応、お伝えしておきますので、ご検討ください。」
「は・・・はい」
「隅田川か東京湾・お台場での屋形船ツアー、ハワイアンスパ&リラクゼーション、プロ野球都内開催試合を
特別席で観戦。この三つでございます。後日、メールで構わないので、ご連絡ください」
「わかりました」
「色々、お手数お掛け致しますが、宜しくお願い申し上げます」
「いえ、こちらこそ。どうもご丁寧にありがとう」
そう言って、寅蔵は、岩佐からの電話を切った。
寅蔵は、海子に岩佐からの電話の内容を説明した。海子は、腹を抱えて笑った。
そして「本当なの?」と問いただした。
「間違いない」
寅蔵は、ニコニコしながら答えた。
「一流の高級ホテルともなると、対応が違うね?ワシも見習わないといけないなぁ」
寅蔵は、しみじみと海子に言った。
店を開けてから暫くすると、玄介が珍しく一人で来店した。玄介は、カウンター席に座るなり、
おしぼりを手に取り、顔を拭くかと思うと、注文を入れ始めた。
「取り敢えず、ビールに細魚のお造り。握りは、烏賊、蛸、赤貝」
注文を入れた、玄介に、寅蔵は、東京大神ワイハットホテル宿泊係岩佐からの電話について語り始めた。
玄介も一言、寅蔵に言った。
「一流ホテルは、やることが違うよねぇ」
しかし、その後、寅蔵と海子は、思ってもみなかった事態に巻き込まれていく。
東京大神ワイハットホテルの宿泊係の岩佐からだった。
「若井様のご自宅で宜しかったでしょうか?」
「はい、若井でございます」。電話に出たのは、海子だった。
「こちらは、東京大神ワイハットホテルの宿泊係の岩佐でございます。寅蔵様はご在宅ですか?」
大変丁寧な言葉づかいに、海子は緊張しながら「はい」と言って、寅蔵を呼び出した。
「はい、若井寅蔵ですが?」
電話に出た寅蔵は、すぐに応答した。
「お忙しい時間に恐れ入ります。こちらは、東京大神ワイハットホテルの宿泊係をしております、
岩佐と申します。先日は、『夫婦水入らずプラン』で、ご宿泊の予約を頂きまして、誠にありがとうございます。
実は、当ホテルの勝手な都合ですが、宿泊プラン及びプラン価格の改定がございまして、
現状のご宿泊料金より二割から四割、お安くさせて頂くことになりました。
若井様の場合、『夫婦水入らずプラン』が『夫婦二人だけの休日プラン』に変更され、
プラン料金は、64,000円から39,000円に改定されました。もちろん同等のプランでございましす、
今後は少しお安くご利用頂けます。
つきましては、先日ご予約頂きましたプランは、こちらでキャンセル扱いにさせて頂きますので、
改めて、当ホテルのホームページから『夫婦二人だけの休日プラン』のページにアクセスの上、
ご予約頂けますでしょうか?」
寅蔵は、思わず、「そんなに安くなるのですか?」と尋ねた。
「はい」
岩佐は、自信を持って答えた。
「じゃぁ、そうさせて頂きます」
「それと、先程、申し上げました通り、『夫婦二人だけの休日プラン』は、『夫婦水入らずプラン』と同等のプランでございます。特典の東京スカイツリー特別予約券が付きます。ご予約の三日間分、この特典で宜しかったでしょうか?」
「えーと、と言いますと・・・」
「差し出がましいようですが、他の特典に変更も可能です。一応、お伝えしておきますので、ご検討ください。」
「は・・・はい」
「隅田川か東京湾・お台場での屋形船ツアー、ハワイアンスパ&リラクゼーション、プロ野球都内開催試合を
特別席で観戦。この三つでございます。後日、メールで構わないので、ご連絡ください」
「わかりました」
「色々、お手数お掛け致しますが、宜しくお願い申し上げます」
「いえ、こちらこそ。どうもご丁寧にありがとう」
そう言って、寅蔵は、岩佐からの電話を切った。
寅蔵は、海子に岩佐からの電話の内容を説明した。海子は、腹を抱えて笑った。
そして「本当なの?」と問いただした。
「間違いない」
寅蔵は、ニコニコしながら答えた。
「一流の高級ホテルともなると、対応が違うね?ワシも見習わないといけないなぁ」
寅蔵は、しみじみと海子に言った。
店を開けてから暫くすると、玄介が珍しく一人で来店した。玄介は、カウンター席に座るなり、
おしぼりを手に取り、顔を拭くかと思うと、注文を入れ始めた。
「取り敢えず、ビールに細魚のお造り。握りは、烏賊、蛸、赤貝」
注文を入れた、玄介に、寅蔵は、東京大神ワイハットホテル宿泊係岩佐からの電話について語り始めた。
玄介も一言、寅蔵に言った。
「一流ホテルは、やることが違うよねぇ」
しかし、その後、寅蔵と海子は、思ってもみなかった事態に巻き込まれていく。
2013-10-29 22:37
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