横南高校物語3 [横南高校物語 【学園物語】]
瑶子は、週末までに終わらせねばならない、宿題に取り組んでいた。
でも、あまり捗っていなかった。理由は、薫子が知っていたことだ。そう、亜紀子がソフトボールをやめて、
音楽に打ち込むという事実を知っていたこと。それが、どうしても引っかかっていた。
「どうして、薫子が知っていて」・・・頭から離れなかった。
瑶子は、自分の携帯電話を取り出して、徐に電源を入れた。亜紀子からの連絡は、携帯電話にも、未だに無かった。
瑶子は、登録している短文投稿サイト『モノローグ』を立上げ、ログインした。そして、書き込んだ。
「親友に、裏切られた」
亜紀子は、入浴していた。世間では、半身浴なるものが流行りだが、亜紀子は、肩まで湯船に浸かるのが好きだった。色白の肌が、ほんのりと赤くなるまで、湯船につかって、亜紀子は入浴を終えた。
バスタオルで十分に体についた滴をぬぐって、お気に入りのパジャマを着た。冷蔵庫から炭酸飲料を出し、一口飲むと、応接間に置いてあった携帯電話を持ち、自分の部屋に入った。
亜紀子は、漸く、瑶子からの連絡に気付いた。伝言のメッセージを確認したが、すぐには電話を掛けなかった。いつもの癖だが、まず、メールと短文投稿サイト『モノローグ』のタイムラインの確認が先なのだ。メールボックスには、何も入っていなかったが、『モノローグ』のコメントに驚愕した。
「親友に、裏切られた」
アカウントを確認すると、瑶子のものだった。・・・「ひょっとして・・・」
亜紀子は、ドキッとしたが、冷静に、瑶子に電話を掛けた。
瑶子の携帯電話が鳴った。瑶子は、すぐに出た。「こんばんは、亜紀子です」
あらたまった亜紀子の一言に、瑶子は憮然とした。「何それ!」・・・亜紀子は少しほくそ笑んだ。そして・・・、
「なに怒ってんのよ! 親友に、裏切られたって、どういうこと?」
瑶子は、動揺しながらも、少し嬉しかった。・・・「別に、ちょっと冗談で打っただけ」
「ふう~ん、そう、じゃぁ、いいけど」
瑶子は、全く違う話を切り出し、明日の約束を取り付けようとした。
「明日、空いてる? 空いていたらショパンに行かない」・・・亜紀子は思わず、「行ってどうすんの?」と素っ気なく言ってしまった。
瑶子は言った。「亜紀子のピアノが聞きたいの」
「ウソ!」、亜紀子は、叫んだ。「正直に言いなさいよ」
瑶子は、なぜか、勝負に勝ったような気がした。
そして、「亜紀子のピアノが聞きたいの」・・・もう一度、繰り返した。
「まぁ、いいけど」亜紀子は、あっさりと、明日の約束を承諾した。
でも、あまり捗っていなかった。理由は、薫子が知っていたことだ。そう、亜紀子がソフトボールをやめて、
音楽に打ち込むという事実を知っていたこと。それが、どうしても引っかかっていた。
「どうして、薫子が知っていて」・・・頭から離れなかった。
瑶子は、自分の携帯電話を取り出して、徐に電源を入れた。亜紀子からの連絡は、携帯電話にも、未だに無かった。
瑶子は、登録している短文投稿サイト『モノローグ』を立上げ、ログインした。そして、書き込んだ。
「親友に、裏切られた」
亜紀子は、入浴していた。世間では、半身浴なるものが流行りだが、亜紀子は、肩まで湯船に浸かるのが好きだった。色白の肌が、ほんのりと赤くなるまで、湯船につかって、亜紀子は入浴を終えた。
バスタオルで十分に体についた滴をぬぐって、お気に入りのパジャマを着た。冷蔵庫から炭酸飲料を出し、一口飲むと、応接間に置いてあった携帯電話を持ち、自分の部屋に入った。
亜紀子は、漸く、瑶子からの連絡に気付いた。伝言のメッセージを確認したが、すぐには電話を掛けなかった。いつもの癖だが、まず、メールと短文投稿サイト『モノローグ』のタイムラインの確認が先なのだ。メールボックスには、何も入っていなかったが、『モノローグ』のコメントに驚愕した。
「親友に、裏切られた」
アカウントを確認すると、瑶子のものだった。・・・「ひょっとして・・・」
亜紀子は、ドキッとしたが、冷静に、瑶子に電話を掛けた。
瑶子の携帯電話が鳴った。瑶子は、すぐに出た。「こんばんは、亜紀子です」
あらたまった亜紀子の一言に、瑶子は憮然とした。「何それ!」・・・亜紀子は少しほくそ笑んだ。そして・・・、
「なに怒ってんのよ! 親友に、裏切られたって、どういうこと?」
瑶子は、動揺しながらも、少し嬉しかった。・・・「別に、ちょっと冗談で打っただけ」
「ふう~ん、そう、じゃぁ、いいけど」
瑶子は、全く違う話を切り出し、明日の約束を取り付けようとした。
「明日、空いてる? 空いていたらショパンに行かない」・・・亜紀子は思わず、「行ってどうすんの?」と素っ気なく言ってしまった。
瑶子は言った。「亜紀子のピアノが聞きたいの」
「ウソ!」、亜紀子は、叫んだ。「正直に言いなさいよ」
瑶子は、なぜか、勝負に勝ったような気がした。
そして、「亜紀子のピアノが聞きたいの」・・・もう一度、繰り返した。
「まぁ、いいけど」亜紀子は、あっさりと、明日の約束を承諾した。
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